今日も地球の名物、酸素がおいしいです

プップクプーのプーです 地球には何十年か前に来ました

爪噛み癖 辛かったなあ

 私は、幼いころ爪噛み癖があった。

 

小学校に入学する前にはもう噛んでいたし、中学校二年生ごろまでは、爪に白い部分があると、噛みたい欲を抑えることができずに噛み、指に血がにじんでは、なんで噛んでしまったのだろう、、と落ち込む毎日だった。

 

正直に言うと、正確には爪噛み癖ではなく、爪食べ癖が正しい。

そうです、私は、噛みちぎった爪を食べていました。ああ、当時はこんな風にたとえ文章でも、このこと書ける日が来るなんて思わなかった。大人になると、やっぱりちょっと図太くなるのでしょうか。辛かったなあ。当時、気持ち悪い思いをさせてしまった同級生を始めとする知り合いの皆さん、ごめんなさい。

 

 

爪を噛まなく(食べなく、、ですが。)なった今、爪を噛まない側の人々の気持ちがわかる。爪を噛む人を見て、気持ちが悪いなあ、と思う気持ちもわかってしまう。

 

でも、爪を噛む側の気持ちもわかる。私は、爪を噛み始めたころから、本当に爪を噛むのをやめたかった。同級生の半分ほどの長さしかない爪を見ては、どうかみんなに私の爪を見ないで欲しいと思った。

 

 

当時の爪に関する嫌な記憶はいくつもある。

 

家に遊びに来た友達に、幼かった妹が、お姉ちゃん爪食べるんだよおと話しかけたこと。事実だけど、すごく悩んでいた当時の私にはきつかった。

 

友達は妹に言われるまでもなく、気づいていたと思うが、それまでそのことについて触れてはこなかった。でも、それから、私の爪を時折見ては、もう噛んだらダメだよって優しく言ってくれるようになった。

 

 

でも、言われたくなかった。友達は悪くない。噛まない側になった今はわかる。彼女がすごく優しかったのもわかる。普段はちょっと気が強いところが魅力的な彼女だったけど、その話題の時、彼女は私に絶対にきつい言葉を使わなかった。

 

でも、嫌だったんです。

 

なぜなら、わかっていたから。本当にやめたかったから。気持ち悪く見えているのも知っていたから。やめたくても、爪の白い部分を見たらどうしても噛まずにはいられなくて、噛んだ後に、やってしまった、、ってその落ち込みが毎日少しずつ乗っかかってきて、いっぱいいっぱいだったから。

 

他にもある。

学校で占いの本が流行った時、そのページの中に、”爪の見せ方によって性格がSなのかMなのかわかる”なる部分があった。

 

指を伸ばして見せるか、指を曲げて相手に第二関節を突き出すような形で見せるかの二択で性格診断ができるという。

 

数人でその本を囲み、この占いしようよ、という話になった時に、爪が見られる!と怖くなり、この場からどのようにして逃げようかと一瞬で頭がぐるぐる回った。

でもだめだった。私の脳はあまり働きがよくなくて、逃げられず、結局あまり爪が見えないように、顔の横に指を曲げて、両手を挙げた(猫が威嚇するようなポーズ?)。

 

そんな見せ方じゃ診断できなーい、ふふ、とかそういう感じで話が終わったから良かったけど、本当にヒヤヒヤした。

 

 

そんなこんなで、本当にやめたかったけど、なんでか、どうしてもやめられなかった。

思春期を迎え、異性の目を意識するようになっても、噛んでしまった。指いつも痛かったし、爪が短すぎてあんまり手に力も入らなかった。

 

 

でも、中学二年生のある時期から、私はそんな強迫的爪噛みから脱出することができた。その後、成人する頃まで爪かみは続いたが、それはなんというか後遺症のようなものというか、

 

強迫的なものはなくなっても、爪を噛むことがストレス解消となる状況は変わらなかったため、爪を噛んでいるといった状況で、爪を異常な短さにしてしまうことはなかった。伸びた爪を正常な長さに整える、それが楽しい、という(こう文章にするとほんとこれでも十分怖いですね、、)感じだ。

 

でも、その症状も現在はない。実際に今このブログを書こうと思った理由も、爪をきちんと爪切りで切って、幼い頃に爪を噛んでいたことを思い出したからだ。

 

 

私が強迫的爪噛みから脱出できた理由は、おそらく同じく爪を噛んでいた同級生の男子が、ある行動をとったからだ。中二の時に初めて同じクラスになった彼も、私と同じく、深刻な爪噛み癖があった。しかし、私と違ったのは、彼はその爪噛みを、少なくとも私の目には、そんなに気にしていないように見えた。

 

私が人目を離れた隙に爪をこっそりこっそり噛んでいたのに対し、彼は授業中に堂々と噛んでいた。しかし、特に他の同級生にそのことについて触れられたり、気持ち悪がられたりすることはなかった。

 

私は、心の中で、同じ人もいるんだな、と彼の短い爪を見るたびに、どこかホッとしていた。そしてある日、(私の中で)事件が起きる。

 

 

同じクラスの女の子が、ある日、いつものように爪を噛んでいる彼に対し、もう〜、爪噛んだらダメだよ〜と、教室で、大きな声で話しかけたのだ。それを横目に見ていた私は、ヒヤッとして、この状況私だったら耐えられない、大丈夫かな、と彼の心配をした。

 

その時、彼はにっこり笑い、いいじゃん、楽しい〜と言いながら、爪を噛む真似をして、その後爪をその女の子に見せつけるように手をゆらゆら揺らした。

 

 

私の中でその時、爪を噛む行動が、プシューと空気が抜けるように小さくなっていった。そうかあ、まあいいか。楽しい。確かにそうだ。私も、爪噛むの楽しい。

 

 

その後気がつくと、私は切迫して爪を噛むことはなくなっていた。当時、爪が短すぎて、爪のピンク色の部分が、爪を噛まない人の半分くらいしかなかった。でも、爪を噛まなくなって時間が経過した今は、爪を噛まない人の5分の4くらいまでになった。

 

中学校を卒業してから彼の姿は見ていないけど、あのあと彼の癖はどうなったんだろう。わかんないけど、彼にそんな気がないことは百も承知で、私はあの時の彼の行動で楽になった。肩の力が抜けるような気持ちになったのだ。ただでさえ辛い多感な時期に、あの気持ちから解放されて本当に助かった。

 

 

狭い教室に40人閉じ込められて、気の小さい私には嫌な記憶でしかない中学時代。でも、人に会うことで、気持ちが楽になることって、あるよね、それに、悪意も好意もなくても。と、胸の中の中二の私が言っています。

 

全ての爪に幸あれ。